女性の健康クリニック 小山嵩夫クリニック

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コラム

気になる女のココロとカラダ

現代を生きる女性の宿命ともいえる子宮内膜症

月経痛があまりにもひどかったので病院に行ったところ、子宮内膜症の疑いがあると言われました。
仕事も忙しいし、今後のことが不安です。(25歳・出版)

● 月経と同じ現象が子宮内膜以外の場所で起こる病気

ここ数年、20代後半~30代女性の間で急増し、マスコミなどでも注目を集めている子宮内膜症。これは、月経のたびに増殖と剥離を繰り返す子宮内膜に似た細胞が、本来あるべき子宮の内壁以外の場所(子宮周辺や卵巣、膀胱、直腸など)に発生し、月経と同じように増殖と剥離を繰り返し、出血するというもの。つまり、月経そのものが、子宮の中以外の場所で起こってしまうのです。
しかし、月経とは違い血液の出口がないため、出血を繰り返すと周辺に血液が溜まって嚢胞になり、周辺の組織と癒着してしまいます。これがさまざまな症状の原因。癒着が進行するにつれて痛みも激しくなっていきます。

● 主な症状は、気絶するほどの激しい痛みと性交痛

子宮内膜症の症状で、もっとも代表的なのが、激しい月経痛。ときには救急車を呼ぶほどの痛みに襲われることもあります。また、子宮と直腸の間のダグラス窩に発症すると、セックスのときペニスに押されて痛んだり、排便のときに痛むことも。不正出血もよく見られます。
そして、周囲の組織との癒着が進行し症状が悪化すると、不妊の原因にもなります。この病気は不妊症の検査で発見されることが非常に多く、不妊症の人の3割近くが子宮内膜症であるという報告もあるほどなのです。
子宮内膜症の原因には、さまざまな説がありますが、はっきりとしたことは、まだ解明されていません。しかし、高学歴のキャリアウーマンに多いことから、不規則なライフスタイルやストレスなど、多くの要因が重なって起こるものだろうというのが大方の説のようです。

● 治療は薬物療法が一般的。漢方で体質改善を

治療は、まずホルモン剤を投与して月経を一時的に止め、嚢胞を小さくする薬物療法から始めるのが一般的。初期の段階なら、かなりの効果がありますが、副作用も強く、肉体的にも精神的にも、やや負担の大きいものです。
手術は、若い女性の場合、卵巣をすべて摘出することはできないため、癒着をはがしたり、病巣部分だけを取り除く一時的なものになります。おなかの一部を 3cmほど切るだけで済む、腹腔鏡という器具を用いる方法もあります。しかし、この病気の厄介なところは、月経があるかぎり進行を止められないということ。月経を止めるのが一番の治療法なのですが、結婚や出産を控えた女性にとって、それは無理というもの。薬物療法や手術で完治する例もありますが、単に症状を和らげるだけの場合もよく見られます。そこで注目なのが、漢方による治療法。ホルモン剤と違って副作用が少なく、治療中でも月経を止める必要はないので、体に負担がかかりません。しかし、症状をただちに緩和するのは難しいので、進行してしまっている子宮内膜症の場合は、薬物や手術による治療と並行して行うことになります。それでも、体質自体を改善していくことによる効果はとても大きいといえます。
子宮内膜症は、基本的に月経があるかぎりは完治しない病気と考え、一生付き合う覚悟で向き合う必要があります。つらいときには無理をせず、周囲の人にも病気を理解してもらうよう努力して、上手に付き合っていきたいものです。

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